「……ん」
閉じていたまぶたをゆっくり開けると薄暗い空間と天井が目の先に見えた。
顔だけを動かすとおでこから湿ったタオルが頬をかすった。
そこでようやく倒れたことを知る。
そうだ。あたし柊に最低なこと、しちゃったんだ……。
蘇る記憶があたしを苦しくさせる。
この部屋にいないってことは、帰っちゃったんだよね……。
さっきより少し軽くなった体を起こして、辺りを見渡した。
「馬鹿だな~あたしって」
熱のせいにしちゃ悪いけど、でも事実でもあるから。
ほんと、今年のクリスマスは最悪最低だ。
そして、全てあたしのせい。
堪えてた涙は止まることさえ知らないようで、毛布を濡らしていく。
ごめんね、柊。
こんなクリスマス嫌だよねっ。ごめんね。
「……う。柊に、会いたいよー」



