──~♪ 不意に耳元で大きく鳴る電話を知らせる音。 その音が頭を震わせて痛みが強くなるのを感じた。 寝返りをうってうつ伏せのまま、画面を覗く。 どきりと胸が高鳴った。 「しゅ、う」 そう声に出すとまた視界が歪んで、画面の上に3滴の涙が落ちた。 画面の上に表示された時間は待ち合わせ時間の15分前で。 更に涙が溢れ出る。 「ごめん、ね……柊……っ」 あたし風邪引いちゃった。 まだ鳴り響く着信。 自分が情けなくて、柊に申し訳なくて、ただ鳴り止むのを待った。