ハッピーエンドじゃ終われない

そんな経緯があったのか。
たまたま彩女が亡くなった直後に京華と睦が再会して、私たちも誘ってくれたのね。

「すごい偶然もあるんだね」

私は驚きつつも、久々の再会で中学時代の記憶がよみがえる。
中学時代はよくこんな風に集まって話してたっけ。

カフェは高くて行けなかったけれど、ファーストフード店で100円の飲み物を買ってしょっちゅう長時間、学校のこととか、恋愛のことを話していた。

今はあの頃とは違い、ファーストフード店の100円の飲み物ではなくて、カフェの350円のコーヒーを飲んでいる。
大人になったなってしみじみと実感した。

「でも驚いたよ、あの彩女が自殺をしただなんて。今でも信じられないもん」

「本当だよね」

睦の言葉に私は共感する。

「亡くなった人のことを悪く言いたくないんだけどね」

みちるの言葉に、全員の視線が彼女の方へと集まる。

「みちるは彩女のこと、だーい嫌いだったんだよね」

みちるはあっけらかんとした態度で暴露する。
私は驚いたが他の二人はそんなに驚いていないようで、少し間をあけたあと睦が口を開く。

「だよね、それ私も!本当に彩女の我が儘っぷりには何度困らされたかわからないわ」

「だよねー」

睦とみちるは、彩女の悪口を言いながら顔を合わせて笑いあう。

「でも睦って、高校と大学も彩女と一緒だったじゃん。嫌いなのに同じところ入学したの?」

私は睦に尋ねる。