ハッピーエンドじゃ終われない



「みんな中学卒業以来よね。4年半ぶり?」

睦はストレートティーを口に含んでから、懐かしそうに全員の顔を順番に見つめる。

「私と香苗は高校も同じだったから、香苗とは1年半ぶりだけどね」

京華がアイスコーヒーをストローかき混ぜると、氷がカラカラと音をたてる。

私たちはカフェへ入って注文してから、一番奥の窓側の席へと腰を掛けた。
窓側左から睦、みちる。
中側左から京華、私の順に座った。

「京華っていまT大学に通ってるんでしょ?この前話したときに聞いてびっくりしちゃった」

「T大!?そうなの?さすが京華!」

睦とみちるは京華が全国トップの大学に通っているということで、まじまじと京華を見つめる。

「そんなことないよ」

京華は苦笑いをしながら、アイスコーヒーを口に含む。

「睦も今日のお葬式のこと、京華から聞いたの?」

私はアイスカフェオレを飲んでから、睦に尋ねる。

「ううん、私が京華に言ったの。私と彩女、同じ大学だから彩女が亡くなったのは噂で聞いて知ったの。お葬式に出席しようかなって考えていたとき、偶然京華と再会して誘ったってわけ」

「たまたま買い物に出掛けたときに睦と再会して、彩女が亡くなったことを聞いたんだ。睦と話していたら中学時代を思い出して、香苗とみちるも誘ってみようって思って電話したんだ」

と京華は言う。