今回の彩女と睦の死が弥生の復讐ならば、残る私を含めた3人も殺されることになる。

私こそが殺されるべきだ。
弥生を見捨てた、私こそが…。





「どう、思う?」

睦のお葬式が終わり、情緒不安定のみちるを自宅に送り届けたあと、帰り道で京華に尋ねる。

「何が?」

「みちるが言ってたこと」

「…弥生の復讐?」

「うん」

京華は言葉を詰まらせる。
弥生があれから6年たった今、私たちに復讐をしている。
本当にそんなことがあるのだろうか。

「わからない」

そう言って彼女は顔を曇らせる。

「でも…私達を恨んではいると思う。私も弥生を助けられなかったから」

京華の言葉で、私はあの下駄箱での会話を思い出す。
確かあのとき、京華はこう言ったはずだ。

「ねえ…京華。私が弥生を助けてって泣きついたとき、京華言ったよね。助けられない”理由”があるって。あれって何だったの?」

「…!」

私の言葉に、彼女の表情がこわばる。

「…よく覚えてるね」

彼女は表情が曇ったまま、顔色が悪い。
聞いてはいけないことを聞いてしまったのだろうか。

「実はさ、彩女がいなくなった今だから言えるんだけど…」

彼女は言葉に躊躇いを見せる。
しかしうつむき黙ったまま少しの沈黙を保ったあと、彼女は重い口を開いた。