さがしものが見つからない

夢を見た。
懐かしい夢だった。
もう何度も、見飽きたと呆れてしまうくらいに。


“アリス”


名前を呼ばれる。
振り向けば、大好きな笑顔がそこにはあって、私は嬉しくなって笑う。

陽だまりのような暖かい雰囲気を持つその人が大好きだった。

穏やかに緩い弧を描く口元、優しげに細められた目。
聞こえのいいバスの心地いい声色。

姿を見るたび、話しかけられるたび、そばにいるたび、惹かれていく自分が怖かった。


パァンッ!


「・・・お願いだからっ! これ以上、私の中に入ってこないで」


だから、拒絶した。


でも、言ってすぐに後悔した。


その時、見せた。
その人の悲しげに寄せられた眉と自分が払った手が徐々に力なく垂れ下がる。


私が傷つけた顔が、今も目に焼き付いて離れない。