成瀬 斗摩と芹澤と言う名前…



私は昴にこの二人の名前に記憶があると話したら…



「瑠璃ちゃん!」


昴が慌てた。
急ブレーキをかけ路肩に止めハンドルにオデコを付けたまま動こうとしない昴…



一体なに?



私は動かない昴をただ不安を抱えたまま観る事しか出来なかった。


長い長い沈黙の後…



「瑠璃ちゃん?」


昴がいつもより低い声で私の名前を呼んだ。



どうも…


晧覬て昴の様子がおかしい…



私が返事をすると…



「成瀬に芹澤…。瑠璃ちゃんの記憶に残ってるのは当たり前なんだよ…」


昴が話した。


「成瀬は…」


昴がまた話をするのを止めた。


「達哉…。そう言えば…」


昴の言葉で私は一瞬にして凍りついた。



「成瀬は…。
成瀬は…。
愛里ちゃんの兄貴なんだよ…。
そして…
芹澤と言うは愛里ちゃんの婚約者だったんだよ…」


昴がようやく話をしてくれた。



達哉…

貴方は…



私は下を向いてしまった。




「この話は忘れて…俺も瑠璃ちゃんに話す気なんか無かったのに…。話してしまったけど…」


昴はそういい車を走らせた。