「婚約者とな??何のお話ですかな??」
きょとんとする真部さん。
「海外の姉妹ビルで、パートナーとして経営するために、いらっしゃるとお聞きしました。以前お会いした女性がそうではないのですか???きれいな方」
「お前そんな女性(ヒト)がいるのか??!!」
「何のこと………あっ!!あのときの!?そういうことか!?」
「何の話だ!?」
ふたりを見合わせ、きょとんとする真部さん。
「……あれは義姉の夏子(ナツコ)さんだ。従兄弟の奥さんで、たまたま遊びに来てたから食事しただけで。お前だってマサトとかいう奴と……」
それこそ姉弟オチだったのだ。
顔を撫で、口元を撫でながら、言いたくなさそうに。
「……付き合ってるとか言われて、無性に腹が立って気づいたら殴ってたんだ」
「そうだったんですか??訳もわからずいきなり殴ったから、思わず叩いてしまったんですよ!?」
「文李あなたそんなことしたの!?ちゃんと謝りなさい!!」
叱られてしぶしぶ小さくなる私。
「…だって………すいません」