「どうかしましたか??」
揉めているところに背後から声を掛けられる。
「ああ、真部様」
「彼女がどうかしました??」
振り向いた私の背後には胸元しか見えない。
180㎝はあろうかという、鍛えられた胸板がわかる薄手の白いVネックセーターが。
「まなべさま……????」
156㎝の私が見上げた先には30代くらいのイケメンがにこりと微笑んだ。
黒いスエード生地のジャケット、ヴィンテージデニム姿の爽やかなイケメンが。
ぽかんと口を開けて突っ立ってしまった。
「あっ、なんでもありません。道を聞かれただけです。さあ、もう行きなさい」
追いやられそうになる。
「だから!!ここの歯医者に用があるんですってば!!」
食い下がる私に、真部と言われたイケメンは、
「一緒に入りますか」
「え"っ!?」
「部外者を通しては、私が叱られます!!」
「大丈夫。僕が責任取りますよ」
「そんな訳には…」