「…お前には関係ないだろう」
「将人さんに関係なくても、文李は私の妹です!!もうこれ以上この子を傷つけないで!!」
つかつかと上がり込むと、私の手を引いて出て行こうとする。
「待て…」
「触らないで!!」
思わず叫んだ。
ビクッと掴み掛けた手が離れる。
「……婚約者さんと、……お幸せに。さようなら」
顔も見ずに、絞り出すようにやっとそれだけ言うと、真部さんの脇をすり抜けた。
最後の抵抗とばかりに、叶多さんの腕に手を絡ませ、ちょうど来たエレベーターに乗った。
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