腕の力が。強い。
そのままベッドに引き戻される。


「………っ!?」


「…答えろよ。答えるまで返さねえ。いや、答えても返さねえ。他の男になんか渡さねえ。こんな気持ちにさせた責任取ってもらうぞ」


声が、震える。
でも。この空気で、状況で。たぶん勘違いしているそれを、人間じゃないとも言えない。


というか。この人はどこの誰で、私にどうしてほしいのか。


「散々色んな女に出会った。言い寄られたことも一度や二度じゃねえ。……それなのに、何でだよ。初めて会ったときから気になって仕方ねえ」


「…どこかでお会いしましたっけ…??」


恋愛経験ほぼゼロの私は、イケメン相手に動揺して言葉が見つからない。


「寝てる間に襲うことだって出来た。なのに、キスから先にいけねえなんて。……こんなこと、……初めてだ。くそ」