「ここはどこですか!?あなた誰ですかっ!?このこの、ひらひらしたものは何ですか!?勝手に脱がせたんですかっ!?」


服を隠すように胸の前で手を合わせ、生まれて初めての事態が飲み込めず、思わず耳まで赤くなって半泣きで捲し立てた。


「………覚えてねえのか…???」


「何をですか!?」


はだけたバスローブの前を合わせると、髪をくしゃくしゃっと掻くと、ベッドから起き上がってサイドテーブルにあったリモコンのボタンを押す。


間接照明がふわりと灯り、電動でカーテンが開く。眩しい光が射し込んだ。


「………俺のこと。ここは俺の部屋。ビルのエレベーターでボヤ騒ぎがあって、煙を吸って気を失ったお前を介抱するために連れてきた」


「……そんなこと言われても、覚えてません。…おうちに帰らせてください」


「………シンちゃんて、誰だ。彼氏か」


静かに呟くような声が、何となく怒っている。