「アポ……いるんですか??」


「当然です。万一部外者で侵入する人間がいたら即、通報です」


そんなばかな。
セキュリティ厳しすぎでしょ。


かといって、履歴書以外、身分証明できるものなんて持ってないし。


電話番号もわからない。
まさか入り口でつまづくとは思いもしなかった。


「ちょ、ちょっと待ってください」


文玻のスマホを鳴らしてみた。


『ただいま電波の届かない場所にあるか…』


「勘弁してよ!!時間ないじゃん!!」


遅刻する。
面接の時間に。


一応今日の13時に行くことは伝えられてるはずだ。


ひいい。
どうすれば。


「歯の治療なら、他を当たっていただけますか??お嬢さん」


「だから!!違うって!!」