そして最後の勤務の朝。


火災報知器が、けたたましく鳴り響いたのはエレベーターに乗ったときだった。


「何なに!?」


キョロキョロするのも束の間。
ガタン!!という衝撃の後に照明が落ち、止まってしまった。


少しすると、微かな非常灯に切り替わる。


「大丈夫か!?」


声に振り向いた。


「………真部…さん???」


「…お前か…」


煙が、狭い空間に滑り込んできた。