「どうかしましたか??」


翌日。
休憩室で叶多さんに顔の前で手をひらひらされてハッとする。


「いや、えっと…」


あの後、


「いや待って??職場の男は退院したら出会うんだから、それとなく姉の存在をアピールするだけでいいわ」


「姉がいまして…ふたつ上の」


どう言えば自然だ!?
わざとらしい話の持っていき方しか出来ないぞ!?


ふう、とため息をつくと、


「ああ、本来ここに勤める予定のお姉さまですね??紹介してもらうようにでも言われました??」


「私って、そんなに分かりやすいですか…」


落ち込む。


「嘘が付けないのは大抵いいことですよ。素直で」


「どうせ会うんですから、写メも見なくていいですよね。彼氏探しの腰掛け目当てみたいですみません」


「そこは会ってのお楽しみと言うところでしょうか。まあ、仲咲さんのお姉さまなら、おかしな女性ではないでしょうし。お加減も良さそうで何よりです」


やんわりと保留にされた。
むしろ大人の対応だ。助かった。


クリーニング担当呼び出しのオルゴールが鳴った。