「おはようっ!!……って、あれ??」


翌日の休診日。
木曜と土日祝が休診日だ。


おはよう、と言っても時計は10時頃だった。


文玻の病室に行ってみた。
必要以上に張り切ってスライドドアを開けると、


「どうしたの??」


背後から声を掛けられて驚く。


想像以上に回復力があり、予想より遥かに早く退院できそうだ。恐るべし、向上心。いや、執着心。


ベッドにはおらず、もう松葉杖でうろうろと徘徊している。


一日も早くあのビルに行きたくて、イケメンエリートと出会いたくて堪らないのだ。それに伴って体力まで付いてくるのがすごい。


貪欲な姉は、無欲な私に先を越されたようで、悔しさが計り知れないのだろう。


「珍しいわね??なんかあった??」


「め、珍しくもないでしょうよ。お見舞いに来たの」