「用があるから来たんです」


突っ慳貪に言い放つ真部さん。
朝から何を怒ってるのか。
機嫌が悪い。


ああ、なに気に意識しすぎて顔が見られない。


「診察時間は10時からですよ??」


腕時計を見ると、時間はまだ9時半だった。


「中で待てばいいだろう」


「お急ぎですか??」


「別に」


ふん、と嘲る。


「その小娘にクリーニングしてほしいだけだ」


「こ…」


小娘とは失礼な!!
と思いながらも、指名??されたことにドキッとしてしまった。


「ご予約頂いていれば、時間外でも可能は可能ですが。院長の許可を得ないといけませんので。とにかく中に入らせてくださらないと」


あくまでも営業口調の叶多さんに壁ドンした真部さん。


「ええっ!?」


「…面倒臭えんだよ。四の五の言わず中に入れろ」


静かな口調で、けれど妙に苛立った感じだ。


「………かしこまりました。特別ですよ??」