「なんてもったいない!!あんたにはあの空間の素晴らしさが分からないなんて!!」


ガバッ!!と私の肩を抱くと、


「いらないんなら、私に紹介してよ!!それがダメなら他のイケメン紹介してくれるように頼んでくれない!?」


どんだけ必死だよ。


「せっかくあんたを送り込んだんだから!!滅多とない方とお近づきになれたんだから!!絶っっ対、クビになんかなっちゃダメよ!?もっと女子力磨かなきゃ!!」


うんうん、と頷き、ガッツポーズをとる。


「もう少しお静かに」


あまりにテンションが上がった姉は、声が大きくなりすぎて、通りかかった看護師さんに注意されてしまった。


「…そういえば、社宅あるらしいんだけど」


「しゃたく!?スマホの間違いじゃなくて??何でもそこにいる間、情報が漏れないように携帯は預けて専用のスマホになるとか聞いたけど」


「……そうなのかな」