「あの、失礼ですが、真部さまでは…??海外でもお仕事されて、滅多とお目に掛かれないと噂の」
神様でも崇めるように、恐る恐る紅子さんが尋ねる。
そんな有名人なの!!??
「いえ、人違いです。ただの通りすがりのイケメンです」
涼しい顔で。
自分で言いますか、と呆れる私。
「では僕たちはこれで」
「たちって!!どさくさに何してるんですか!?」
立ち上がって肩を抱いてくる。
「いいじゃねえか減るもんじゃなし」
「減りますね!?肩が減りますね!!」
ぷっ、と吹き出す紅子さん。
「仲がよろしいんですね」
「全然!!」
全力で否定した。
なぜだかわからないけれど。どう考えてもオモチャにされて遊ばれてるようにしか見えない。