「ああ、紹介しますね。婚約者の心咲(ミサキ)です。こちらは新人の仲咲さん」


「あっ、初めまして…」


背は同じくらい。折れそうな華奢な体型。透き通るような白い肌。


肩までのショートボブで、透明感ハンパない。
女の私が見惚れるきれいな、可愛い人だ。


神様は不公平だ。性別が同じで持って生まれた機能が同じなのに、見てくれがこうも違うものか。


所詮私なんて、と卑下した考えに入ってしまうのは、やっぱり偏屈で友達も少ないからなのかな。悲しいかな。


しかし危うくいきなり仲を怪しまれるところだ。人の彼氏とデート??するところだ。


あらぬ誤解を招くところだった。危ない危ない。


「12階の化粧品会社に勤めてるんです。Paris化粧品、ご存知ですか??」


「いや、えっと…」


テレビでCMを見たくらいだ。
今も、お母さんが近所のデパートで買った化粧水と口紅くらいしか使っていない。


ケチなわけではない。別段不便なわけでもなく、肌にも合っている。お金を掛けるところが違うだけのことだ。