二人姉妹でふたつ上の姉、文玻(アヤハ)。
美人でスタイルもよく、勉強もでき愛嬌があって器用な人。
彼氏は何人かいたけれど、結婚するには何かが足りない、と言いながら気が付けば周りに先を越されいまだ独身。
都心から離れた実家では近所の目もあり、親が言わなくても周りがうるさい。
何なら孫が何人だのの自慢かお宅はまだだの言いっぱなしだ。
結果、実家にも寄り付かなくなり、都内のそこそこのマンションで一人暮らしを始めて5年になろうとしている。
なんとかなるさと呑気な私と違って焦っていた姉は、このVIPしか出入りしない職場に賭けていたようだ。
本当に大丈夫なのだろうか。