「こんにちは、宅配です。ご注文の商品をお届けに」
「あらまあ!!大きな箱!?何か頼んだかしら???」
玄関先に出たお母さんがおろおろする。
「俺が頼みました。ご苦労様。受け取りのサインだけお願いします。お義母さん」
斎さんが受け取ると、両手で抱えるほどの長方形の段ボールの箱を開けた。
「これは…???」
棺のようなデザインの木の箱が出てきた。
「こいつをここに眠らせる」
包帯でぐるぐる巻きにしたシンちゃんを、クッション材まで敷かれた棺に寝かせた。
「たまたまネットで見つけたんだ。これでいいだろうが」
ご丁寧に、というべきなのか。
お母さんも呆れた顔だ。
「……うう……」
「当分用はない。俺がいいと言うまで開けるな」
実際、使っているかと言われれば怪しいし、今やぬいぐるみ的な位置で、話し相手でしかない。
まあ、いいか。
捨てろと言われるよりは。
「…一応、…何だ。宝物??……だからな」
赤くなって咳払いする。
「…ありがとうございます」

