そしてまた数日後。
改めてビルの部屋に引っ越すために、荷物の整理を始めた私。
「シンちゃん!!ごめんね!?」
「まさかそいつ持っていくんじゃねえだろうな???」
時間が出来た斎さんが挨拶がてらお手伝いに来てくれた。
シンちゃんの頭をガバッと掴むと、土台から外して持ち上げようとする。
「お前のせいで、俺はな」
舌打ちしながらグリグリする。
「やめて!!乱暴に扱わないでくださいっ!!」
「てめえは、俺とコイツとどっちが大事なんだ!?」
ふて腐れる。
「大人げないです!!シンちゃんに罪はありません!!シンちゃんも大事です!!」
「シンちゃんシンちゃんって!!」
「まあまあまあ!!2人とも落ち着いて!!ね!?たかがガイコツじゃないですか!!」
「たかがとは何ですかお母さん!!私の大事な、命の次に大事な…」
「ああ!!うるせえ!!」
言うと、薄手のコートのポケットから出した太めの包帯で、ぐるぐる巻きにしてしまった。
「ああっ!!シンちゃんがっ!!」
「置いていっていいですよね!?」
「……うう…」
呼び鈴が鳴った。

