「彼に平手打ちする女性を見たのは貴女が初めてよ??頼もしいわ」


「…いや、あの、…えっと」


叶多さんの一件のときだ。


「彼はモテるから、しっかり捕まえておきなさい。まあ、彼が本気になったのも初めて見たから、大丈夫でしょうけど??」


何となく皮肉がちらりと見えた。もしかすると彼女も狙っていたのかも知れない。


にっこりと微笑んでウインクされた。


「はは…」


顔がひきつる。
すごい洗礼を受けそうだ。


そして会場では大勢の著名人が顔を揃えていた。


『本日はお忙しい中、我がBC.squareTOKYO、姉妹ビル創設記念式典に、ようこそお越しくださいました』