「とはいえ、いくら何でも今から海外にというのは無茶な話です。私のお仕事の都合もありますし」 「……う、まあ、そりゃそうか」 うぬぬ、と真部さん。 「…必ず、付いていきますから。待っててください」 私も微笑んだ。 そして、左手を差し出した。 婚約指輪が、薬指にはめられた。 「ありがとうございます」