契約彼女にした理由

課長と二人で会社を出る。最近は課長のお供が随分と増えた。


エントランスを歩けば、見覚えのある顔が私達に向かって歩いてきていた。



「葉月ちゃん、お出掛け?」


「はい。」


「頑張ってね。」



すれ違い際に健に声を掛けられ、軽く挨拶をした。



「噂の彼かい?」


「えっ?」


「随分とイケメンの彼と付き合ってると噂で聞いたからね。」


「いえ、彼は違います。彼の友達なんです。」


「そうなのか?彼も随分とイケメンに見えたが?」



驚く課長にクスクスと笑った。



「恋人募集中ですよ、彼。」


「ほお。人気がありそうだがね。」


「ここのラウンジでは人気者みたいですよ。」


「ラウンジ………、お洒落な場所に行くんだね。」


「課長も行かれた事あるでしょ?」


「もう随分と前だが。子供がいると行けなくなるよ。」



チラリと課長を見上げれば、幸せな表情をしている。