契約彼女にした理由

「葉月、ニヤニヤし過ぎ。」



駈の言葉に現実に引き戻された。駈達を見れば、ニヤニヤとしている。



「葉月ちゃん、そんなに良かった?クリスマス。」


「顔見れば分かるだろ。葉月、ニヤニヤし過ぎ。」



健の優しい言葉の後に駈の冷たい言葉。私は駈を睨んだ。



「ニヤニヤなんてしてません。」


「兄貴とのクリスマスを楽しんだみたいだな。」


「教えない。」



笑う3人に首を傾げた。



「学と同じ事を言ってる。二人の秘密か?」



学と視線が絡まり、二人で微笑んだ。



「学、秘密だよね?」


「ああ。」


「俺も彼女欲しい。」



健の叫びに反応したのは周りで飲んでいた女性達だ。


席を立つ数人の人影に健が呟いた。



「冗談だから。」



私達はクスクスと笑って健を見た。学は私の耳元で囁いた。



「また泊まれよ。」



学を見上げて小さく頷けば、強く抱き寄せられた。