契約彼女にした理由

学を見上げた。



「まだ半年もある。これから先の事は分からないよ。」


「葉月?」


「学は好きだけど先の事は分からない。」


「……………。」


「重く考えないで?学に結婚を迫るつもりはないから。」



私はテーブルからカンパリオレンジを取り、喉に流し込んだ。



「重く考えないで。これは私の問題だから。」


「葉月だけの問題じゃないだろ。付き合ってる俺達の……。」


「学は縛られるのを嫌うって聞いたばかりよ。こんな重い問題を抱える必要ない。」



私は学ににっこりと微笑んだ。



「今、私達は一緒にいて楽しいし、お互い傍にいたい存在。違う?」


「ああ、そうだ。」


「今はこの関係でいい。違う?」


「違わない。」


「学、深く考えないで。今はお互い傍にいたい……それだけが真実なんだから。」



私は学から優翔達に視線を向けた。



「皆も学に結婚、結婚って迫らないで。これは私の問題だから。」