契約彼女にした理由

駈を睨めば、苦笑いを浮かべている。



「いや、老けてるって言うか……落ち着いてるって感じ。だからか、俺より年上だと思ったんだよ。まあ、俺も葉月より二つ上なだけ。」


「俺は学の同期。」


「俺は学の一つ下。」



駈の言葉に優翔と健が続いた。皆、私より年上だと判明した。



「葉月と学って五歳差?」


「みたいだな。」



学の相変わらず不機嫌な声に溜め息を吐いた。



「今度は学が不機嫌なの?」


「そんな大事な話をしない葉月が悪いんだろ。」


「言う機会なかったし、別に強制じゃないから。」


「強制じゃない?」



学の視線が真っ直ぐに突き刺さる。その青い瞳を見つめ返す。



「…………強制ではない。」


「何が条件だ?」


「それは…………。」


「言えない?」


「はあ~、話した事があるでしょ。心から愛する相手が見つかればって。」



皆の沈黙に恥ずかしさが押し寄せる。



「もう忘れて。」



続く沈黙に頬が染まる。