契約彼女にした理由

「葉月、そう言えば………。」



耳元で聞こえてきた学の声にチラリと見た。



「今朝の話だが、来年の6月がタイムリミットって…………。」


「ああ~、誠の話?」


「どういう意味だ?」



学の不機嫌な声に私は学から視線を外した。突き刺さる視線に周りを見渡せば、皆の視線が向けられている。



「…………結婚。」



私のたった一言の呟きに静まり返る男達を見渡す。


もう一度、はっきりと呟いた。



「だから結婚。6月の誕生日で27になるの。それが父と交わした約束なの。」


「「「結婚?」」」



驚く学以外の面々。


チラリと学を見れば、黙ったまま私を覗き凝視している。



「誕生日にお見合いする。父も孫を早く見たいんだって。」


「26…………、葉月さん、俺より年下?」



駈の言葉にチラリと見れば、驚きの表情をしている。



「失礼な男ね。老けてるって言いたいの?」