「別に変じゃないだろ?」



聞こえてきた声にエレベーターホールから近づいてくる人物を見つめた。



「葉月が今までと違うって事は、それだけ俺を好きになり掛けてるって事だろ?」


「…………。」


「葉月、違うのか?」



学が真っ直ぐに私を見つめる。徐々に近づいてくる学を見つめ返す。


目の前に立った学を見上げた。



「葉月、俺を好きになり掛けてる。違うのか?」


「………。」


「俺は葉月を本気で欲しい。葉月は違うのか?」



目の前に立つ学の青い瞳を見つめ返す。揺らぎない自信に満ちた瞳にクスリと笑った。



「どこまで自信家なのよ。」


「初めて出逢った時から葉月だけを見てる。だから、葉月の変化ぐらい気づく。」


「葉月、本気になるな!」



誠の叫び声に学から視線を移せば、必死な誠に胸が痛む。だけど―――――



「私は学が好きよ。」



その瞬間、学の腕の中に閉じ込められた。強く抱き締める学の腰に腕を回した。