「タイムリミット?」


「来年の6月がタイムリミットです。覚えておいて下さいよ、篠崎さん。」



それだけ言うと、私の腕を掴んで歩きだした誠に引き摺られるように、エレベーターホールに向かった。


後ろを振り向けば、学の鋭い眼差しが私達に向けられていた。


大きな溜め息を吐いて誠を見上げる。



「誠、どういうつもり?」


「教えてやっただけ。知らないで、突然別れられたら可哀想かと思って。」


「別れるかは私が決める。」


「俺は本気になるなって言っただろ。」


「それも私が決める。」



誠に掴まれた腕を振り払う。



「誠、私が決める事なの。」


「…………悪かった。」



誠が私から視線を逸らしてエレベーターに乗る。私も後から続いてエレベーターに乗り、会社に向かった。