「ちょっと待って。」


「待たない。俺は濡れて寒い。」


「なら、先にシャワーを浴びてて。服を買って………。」



学の足が止まり、私に振り返るや否やニヤリとした顔を見せた。



「残念。その手には乗らない。今度は連れていく。」


「でも着替えが………。」


「裸で過ごすし、明日の朝一までにはクリーニング出来るだろ。」


「いやいや、私は………。」


「葉月のも一緒に出してやる。遠慮するな。」



学が再び歩きだした。



「一緒に風呂に入るぞ。」


「えっ?いやいや、遠慮………。」


「するな。ほら、温まろうぜ、二人で。」



愉しそうな学に溜め息を吐いた。



「学、愉しそうね?」


「当たり前だ。」


「仕事が忙しいんじゃないの?」


「ああ、忙しい。でも一晩ぐらいなら大丈夫だ。」



浜崎はスウィートルームを予約したみたいだ。豪華な部屋に学に手を繋がれ進んでいく。