驚きに固まった。


目の前にある顔が私を不安そうに見つめている。



「葉月、結婚しよう。」



もう一度聞こえてきた言葉に自然と涙が溢れる。



「嘘。だって学は飽きたんじゃ………。」


「飽きた?飽きる訳ないだろ。それより、葉月結婚してくれないのか?」


「本当に?」


「ああ、本当に。」



目の前に立つ学の首に腕を回して抱きついた。



「学、本当にいいの?」


「ああ。葉月、結婚してくれる?」


「もちろん!」



学が強く抱き締めてくれた。お互いが離れないように強く抱き締めあった。



「葉月、覚悟しろよ。」



耳元で聞こえてきた低い声に学から体を離した。



「覚悟?」


「俺は抱き締めれば―――離したくないって言っただろ。」


「えっ?」


「それに誤解で水を掛けられたしな。家に連絡しとけ、帰れないって。」


「えっ?ええええ?」



学が私の腕を掴んで歩きだした。