近づくタイムリミット。


傍にいない学。


連絡のない学。


私の心が負のループに嵌まりだす。



「……づき、葉月。」


「えっ?」



肩を叩かれて見上げれば、誠が怪訝な表情で私を見下ろしていた。



「どうした?」


「…………。」


「葉月?」


「誠は噂を知ってる?」



私の言葉に黙り込む誠に確信する。



「学、日本にいるの?」


「………連絡ないのか?」


「………学が忙しくて。連絡してない。」



誠がじっと私を見つめる。



「俺は数日前にエントランスで見かけた。」


「そう………、学、日本にいるのね?」


「…………いる。」



誠の言葉に唇を噛み締めた。


学は何故連絡をくれない?


学は何故会いにこない?



「捨てられた?」



私の小さな呟きが漏れた。私は唇を噛み締めてランチに向かった。



「嘘つき。」



私を愛してると言っていた学はもう存在しないの?