月曜日の朝、3日ぶりに出勤してきた課長は、精力的に仕事をこなしていた。

休んでる間に溜まったデスク上の書類を次々に片付け、クレーム処理を頼まれれば快く引き受ける。

まるで自分を仕事に追い込んでるようにも見える。

その一方で、私はちっともヤル気が湧かないでいた。

日曜日に食べたパンケーキのせいで、どうにも胸が焼けて仕様がなかった。



「……うっぷ…」


またしても胸がムカムカしてくる。
私がこんなにも気分が悪いんだから、悠生もどうにかあるんじゃないだろうか。



『悠くんは大丈夫?私の気分は最悪だよ』


手と膝をガックリと着いて項垂れるスタンプを貼って送った。

姉は『心配ご無用!こっちは朝ご飯もお替わりしたよ』と返してくる。



(うっそ…。あれだけ食べたのに…?)



土曜日の午後、ひょっこり帰ってきた私を見て、悠生はとても喜んだ。

直ぐにお菓子作りをせがまれたけど、「明日にしようね」と断った。


その代わりに…と、ボール蹴りをして遊んだ。

パティシエになりたいと思う前は、Jリーグの選手になりたいと言ってた悠生だった。


ボールを懸命に追いかけてる間は何も考えずに済んだ。

悠生は私がボールを奪い取ると、取り返そうと何度もアタックしてくる。

たくさん汗をかいた後は一緒にお風呂に入り、夜は同じ布団で眠りについた。


日曜日は約束通りにお菓子作りをした。