『コーン』な上司と恋なんて

「これでコーンスープ鍋にしよう!」


以前に実家で作ったら悠生にとても好評だった。

甘めな感じの味付けだから、子供には丁度良かったみたい。


(でも、課長は大人だから甘過ぎないようにしないと)


トントン…と野菜や肉なんかを切りだす。

ワンルームのマンションは、一応キッチンと部屋が分離型になってる。


課長には部屋の方で寛いでて下さい…と頼んだ。

狭過ぎる部屋の中を見渡して、課長は何処に座ればいいのかすらも迷ってるみたいだった。


我ながら何も考えないで行動してしまった…と反省した。

こんな所をオフィスの先輩達に見つかったら恐い。



(でも、今日だけ。今日だけでいいから)


課長が金澤さんと抜き差しならない関係だというのは承知してる。

私を誘ったのだって、彼氏がいないから気軽だと思ったんだろうと思う。


あれこれと店を迷うからイライラした。

それで、私の家なら話が早いと思ったんだ。


(うん。そうに違いない)


そうでなければどうして私の部屋なんて上りたがる?

無能な部下の気づきのせいで、あちこちと遠出をさせられて疲れてるのに。


それなら尚のこと早く作って帰ってもらおう。
火の通り難いものはレンジで加熱処理しよう。


「アチッ!」


ラップに包んだジャガイモを皿に置かずに加熱してしまった。
おかげで熱くて摘めそうもない。