『コーン』な上司と恋なんて

(いいですとは言ったけど、良かったんだろうか)


冷蔵庫の中を覗き込みながら悩んでいた。

課長の言うがままに受け入れて、自分の部屋に彼を通してしまった。

金澤さんという恋人がいる筈なのに、どうして私の部屋なんかに来たがる?


(遊び?それとも揶揄い?)


コンビニの前で言われた瞬間、どっちだろう…と思った。

とにかく返事を欲しがる課長を待たせてはいけないと思い、「いいです」とは言った。


(あの時、課長は可笑しそうに笑ってたけど……)


私は何か変な言い方をしたんだろうか。



「うーーん」


全く何も思い出せない。
それよりも今は、料理をしないと。


(課長って何が好きなんだろう。洋食かな、和食かな、中華かな……)


迷ってばかりいないで早く決めないとお腹が空き過ぎてしまう。

聞けば課長は、部長の用事もあってあちこちの部署へ報告がてら行脚をしていたと言うし。


(寒いからお鍋にしようか。でも、この材料で作れる物と言えば洋風しかないけど)


玉ねぎや人参、ジャガイモといった定番の野菜しかない冷蔵庫。



(そう言えば、アレなかったかな…)


流しの下に置いてるストック食材のカゴを見た。
乾燥ワカメやふりかけ、調味料のボトルなんかが入ってる。



「……あった!」


コーンの缶詰。
粒じゃなくてペーストタイプの方。