タイムリミットは君にサヨナラをするまで。


「大丈夫よ。これはあゆなんにしか出来ない事だから」

そう言って親指を立ててウインクを向ける。

このまま納得しようと頷きかけた。

……いま『しか』って言った、よね?


「それって他の人は居ないってこと?!」

「そうよ。だから今まで私がお迎えしていたのよ」

もう大変だったんだから!と腕をブンブン振り回す。

これが本当に女性だったらかわいいなと思ったけど、さすがにこれには何も感じなかった。


「やだよ。私1人で出来っこない」

「そうかしら?あゆなんと一緒にいて楽しかったわよ」

「楽しいとかじゃなくて……」


もー。そういうことじゃないんだよ。
私の行動力にだよ。


1日でここに来る人なんてたぶん数えられるほどの人数じゃないと思うんだ。


だって日本だけじゃないでしょ。世界中の人を迎えに行くってことだから……。

それに、迎えに行くってかなり体力使うと思うんだよね。


ゼテルアさんだっていま言ってたし。


「もっと雇えば?」

「……1人いたんだけどね~」


思わず身を乗り出す。


誰かを聞き出そうとした時、ふと近くにあった時計に目をやると後30分でHRが始まるところだった。