「おはようございます……」

低い声でゼテルアさんに挨拶をする私は最悪な目覚めを迎えていることを意味している。



──遡ること10分前。


もともと目覚めが悪いせいでもあるけど、今回の目覚めはだいぶ違う。


昨日は個室で私一人だけで寝ていたはずなのに。


なぜかゼテルアさんが隣に居た。

ここにはベッドが一つある。

この大きさからいうとたぶん、シングルだろう。


1人分のスペースにもうひとり居るってことに一瞬パニクった。

だって隣に男がいると思ったから。

寝顔がイケメンだった。

そして、隣で静かな音がするわけよ。


その原因がこの人。



あの衝撃的な目覚めは忘れないだろう。ずっと。


そう今朝の一連を思い返しながら、ベッドに腰掛けて私を見るその笑った目に睨みつけた。