先に静寂を破ったのはゼテルアさんだった。


一度息を吸ってから私の名前を呼ぶ。
その声は心配の色を含んでいた。


「大丈夫?」

「……はい……」

「我慢することないのよ?」

「……大丈夫です。ただ」


ゆっくり俯いていた顔を上げて、神様を見上げた。


はてなを浮かべたような表情をして首を傾げるゼテルアさん。


全てを知っているなら、
私のやりたいことを知っているはずだよね。


その願いは通じるだろうか。


たった一つ。

私の心残り。


君に伝えようとしていた言葉を。