ゼテルアさんが私を呼ぶ。 その声にもう夢だなんて思うことをやめた。 これは現実。 私は、天国にいるんだ。 頭の上に温もりを感じてやさしく撫でられる。 やめてよ。 そんな風に撫でないで。 もっと苦しくなるから。 溢れてくるから。 だから、やめてください……っ。 強く願うと、ピタッと止まってそれから立ち上がって歩き出していくのが端にみえた。 ……ありがとうゼテルアさん。 今は独りになりたい。 死んでしまった事実を受け止めないと立ち直れそうにないから。 消えた先を見つめながらそう思った。