「この地点ではまだ死んでいなかったと思うわ」
「まだ?」
「そう。……あ、ここよ!ここ!」
急かした声をあげながら画面を指さす。
その画面にはもちろん目を固く閉じた自分がいた。
その様子におかしいと思ったのは、全身がビクついていたから。
まさに、痙攣を起こしている様子だった。
とても苦しそうなのに、痙攣している本人はなんともないような顔をしていて、思わず笑いそうになって抑え込む。
自分をみるってなんていうか凄く変な感じ。
鏡とかビデオとかで見るそういう『みる』じゃなくて、
まったく違う自分をみているみたい。
そもそも動かない自分の様子に笑えてきてしまう。
私こんな顔して寝てるんだ、とか。
頭の方真っ赤だな、とか。
歩未が泣いてる、とか。
見たことのない歩未の表情に胸が熱くなった。



