突如画面の奥が騒ぎ出した。
高い声と車のブレーキ音がひどく重なって聞こえる。
それなのに画面の私は、一つも顔色を変えないでボーッと突っ立っている。
そばでは歩未が怯えて私を叩いていた。
あぁ、なるほどね。
「そっ、か。私このあと……」
小さく呟いたのはこのあと起きること全てが蘇ったから。
信号が青に変わった瞬間、私は飛び出してきた男の子を助けに、そんで──。
衝撃音が大きく響いた。
画面越しからでも分かるくらい、大きくぶつかった音。
それから、歩未の泣き叫ぶ声が大きく伝わってくる。
画面の中の私は、酷い状態で目を閉じていた。
しばらくしても目を開けない自分に違和感を覚えた。
……なんでだろう。私このときちゃんと見えてたんだけどな。
「私ってこのときから?」
死んでいたの?
そう質問した声は冷静で淡々としていた。
青い瞳は私の反応を伺っていたらしくて、少し驚きながらも安堵の色が広がっているようにみえた。
そして、少し考え込んでから言った。



