ゼテルアさんはカメラを胸ポケットにしまい、それから手を叩く。
音が大きく響いたせいで肩を跳ねさせた。
そして目を丸くさせる。
2回瞬きをさせた。
なにが起こったの?
一瞬にして現れたよ!?
椅子とテーブルが。
「座って♪」
「えっあ、はい。失礼しま、す」
隣の椅子をポンと叩いて私に座るよう促す。
驚きを隠せずキョロキョロしていると息を吐くように笑われた。
なんとなく恥ずかしくなって俯く。
「あゆなん、そんな恥ずかしがることないわよ」
「……恥ずかしがってなんかない」
「あら、そう?耳真っ赤だけど」
「こっ、これは元からです!」
なんとも明らかな嘘をついてしまって後悔した。
これじゃもう認めてるようなものと一緒じゃん。
「あゆなんは照れると耳がすぐ真っ赤になるのよね」
「エッ!?」
うそ……、
なんでそんなこと知ってるの。
歩未しか知らないはずなのに。



