タイムリミットは君にサヨナラをするまで。



「あゆなん、ここよ」

「……ぅわあ」


声とともに開かれた扉。

歩みながら声が自然と漏れた。


中へ進むと、そこは薄暗く、けど青く光輝いていて、とても神秘的な印象を受けた。



「なに、ここ」

「ここは、お尋ね部屋よ」



ほー、お尋ね部屋か。
にしては、広すぎじゃない?

どんだけ人が尋ねてくるの。


あまりにも広すぎて、聞かずにはいられなくなった私は片っ端から聞いていくことにした。


どれもおもしろい形をした機器たち。

全て雲で出来ているんだとか。


費用はかかっていないらしい……。



『あゆなんが住んでいた所とは仕組みが違うのよ♪』なんてやや自慢げに言われた。


その顔に少しムカついたから鼻で笑ってやった。



そして、最後。
部屋の突き当たりの前に立つ。


なぜかここだけ、カーテンが掛かってある。
ただの壁なのに。


半透明だからうっすらと覗くシルエットに興味をもち始め、いかにも怪しい雰囲気に内心ドキドキした。



「ゼテルアさん、これは?」

「これは、モニターよ」


近づきながらそう言って、
大きなカーテンを歩きながら横に引いて姿を現させる。



大きなスクリーン。
映画館のものだと瞬時に浮かんだ。



……これも雲で出来ているみたい。


フワフワしたスクリーンを手で触れて撫でる。


ほんとにこれがモニターなの?

ってくらい凄く肌触りいいし、フワフワしすぎなんですけど。