「いいかげん、もう諦めなさい」
そう言った青い瞳は厳しい眼差しを送ってきて、また笑顔をみせる。
それに鳥肌が立った。
一瞬の隙に魅せた表情がとても怖く感じた。
とっさに出た謝罪の言葉に一瞬にして表情を変える青い瞳は、安堵の色を滲ませていた。
「あゆなん……いや、亜優奈さん。あなたにはたくさん説明をしないといけないの。そのために、ここから少し離れた大部屋に移動するわ」
掴まれていた手を下ろされ、視線を合わせられる。
その目は真剣そのもので、嘘をついているようにはみえなかった。
この状況にまだ夢なんじゃないかと思う。
温もりだって、痛みだって、肌で感じるものは全て、感じることが出来ているんだから。
謎はまだ考えても深まっていくだけだろう。
その答えを見つけるには、いま目の前にいるゼテルアさんしかいないんだ。



