「あゆなん、ちょっと来なさい」
「嫌だ」
立ち上がったゼテルアの足元をみて即答する。
来なさい?どこへ。
これ以上みんなから遠いところへ私を連れていこうとしてるの?
この地点でも遠いのに?
神様は何を考えているの?
握り締めている手は握力が増すばかり。
親指が折れてしまうんじゃないかってくらい握る。
今の私は怒りで精一杯だった。
「ほら」
「私、帰ります。こんなところ
すぐに出て行けるんだから」
だって夢の中だもん。
出口はちゃんと存在するはず。
今日の眠りはとても深いんだ。
待ってて自分。もうすぐ覚めると思うから。
ゆっくり立ち上がって
そのまま体をUターンさせてから
前へ歩き出した。



