「幸太郎、覚えてる?送ったLINE」
「覚えてる」
頭の上から返事をする幸太郎の声がなんだか優しく聞こえた。
さっきまで怒ってたくせにと心の中で毒づく。
だけど嬉しかった。
私がいまから何を言おうとしているのか自分に驚いた。
なんでこのタイミング? って。
でもこの景色に魅了されたのか、
それとも生きることの重みに気付いたせいか、
なんだかよく分からない感情が心を急かしてしまったみたい。
「別に大したことじゃないんだけどさ……幸太郎に言っときたかったことがあったんだよね」
「うん」
「好き、なんだよね」
「……そっか」
いやいやいや!ほら!また!!
そっか、じゃなくない??
え、なに、上の空!?
人が告白したのに!?
あんた、何様のつもり???



