「なあ」
「幸太郎」
声が重なってお互い再び沈黙する。
「な、なに」
「いや、……先にどーぞ」
私に譲るなんて珍しい。
やっぱり変だ。
「幸太郎なんか変」
そう言うとキョトンと私をみた。
それから笑った。
「変てどこが」
「いや笑って誤魔化しても無駄だよ。幸太郎って誤魔化すとき笑うもん」
「……いやお前に言われたくないんだけど」
「なんでよ」
思わず反発してみると幸太郎は呆れたように言う。
「お前も誤魔化すとき笑うじゃん」
「え。 へ?」
そ、そうなの?
私、誤魔化すとき笑ってるの?
そもそも私いつ誤魔化すこと言った?
まぁ、歩未にはやりがちだけど。
すぐ見破られますけど。
幸太郎には一度もした覚えはないよ。
「まさか無自覚!?」
「なわけないわ。そもそも幸太郎にそんな事した覚えはありませんー」
「あるよ」
何故か怒っているように見えた。
声のトーンで分かる。
私なんかしたっけ……。



